暗いニュースばかりが続く中、物理学賞、化学賞と立て続けに4人の日本人研究者が2008年度のノーベル賞を受賞した。
今回のノーベル賞に共通点があるとすれば、それは30年ほど前の研究論文が今頃になって認められた、ということである。
音楽の世界でもこの「30年」というキーワードが結実して、1枚のアルバムが完成した。
矢野顕子が10月22日にリリースする27枚目のアルバム「akiko」がそれ。4年ぶりとなるフルオリジナルは、今回のアルバムプロデューサーを担当したT・ボーン・バーネット(グラミー賞音楽賞受賞)が30年前に発表した矢野顕子のファーストアルバム「JAPANESE GIRL」を聞いて大ファンであったことが偶然にも明らかになる。
プロデュースを依頼してマネージャーから返ってきたメールの返事は腰を抜かさんばかりの内容が書かれていた。
「T・ボーン・バーネットはJAPANESE GIRLを聴いたときからの大ファンで、矢野顕子をプロデュースことにとても興味をもっています」
こうしてロスのスタジオでアルバム制作が開始されることになるが、日本側を驚かせたのはT・ボーン・バーネットが奇才ギタリストともいわれているマーク・リーボウを起用したことだ。
矢野顕子といえば27年前CMソングで大ヒットした「春先小紅」が有名だが、自分的には何でもジャズにして歌う矢野顕子の印象が強く残っていたが、そのイメージをイージーリスニングに変えた。
アカデミー賞クラスのプロデューサーに辣腕ミュージシャンとのコラボで、天才少女といわれた矢野顕子が円熟味を増しながら新しい矢野顕子の魅力を引き出す1枚となった。
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