ついに大相撲の八百長問題が法廷闘争に突入した。
黒い横綱と週刊現代に名指しで記事を書かれた横綱朝青龍や日本相撲協会が講談社を相手取って、名誉毀損による7億5900万円の損害賠償と訂正記事を求める裁判で、朝青龍が出廷して疑惑を「ありません」ときっぱりと否定した。
週刊現代からは中盆力士として名を馳せた板井氏とライターの武田氏が証人として出廷して対決が始まった。
横綱などの地位を守るために星を金で買う大相撲の“伝統”ともいわれている八百長がどこまで明らかになっていくのかが鍵になる。
名指しされた朝青龍と日本相撲協会は立場上「一切ない」と否定するのは致し方ないが、相撲協会は「無気力相撲」という呼び方をして、八百長があることは暗に認めている節はある。
八百長があったか、ないか。
相手と共にそれを仲介する力士の3者が存在するわけで、八百長を仲介していた板井氏は取り組みの70~80%が八百長。横綱や大関が70~80万円で星を買っていた、と証言。それは今でもある、という。
星を買う原資は懸賞金。それなら腹は痛まない。
しかも領収書がないので証拠はない。
板井氏の証言は元力士という立場なのと、武田氏は情報源の秘匿があるため、誰から聞いたかは固有名詞が出せない立場なので状況証拠の域を出ないが、今回は週刊現代側に強力な助っ人が登場した。
大麻事件で協会を解雇になったばかりの元幕内力士の若ノ鵬の「アンフェアな取り組みを強いられた。詳しくは裁判で話す」との法廷証言が予定されている。
若ノ鵬にすれば解雇になった恨みからすべてをばらす覚悟はあるはず。この前言を翻して「やっぱり勘違い」と方向転換して相撲協会に戻ることがあったとすれば、協会と裏取引があったことになる。
まさか、そんな子供でも分かることはやらないだろうが、ちょっと前まで幕内にいたわけだから若ノ鵬の証言は、爆弾発言になるかも。
週刊現代が報じた2006年九州場所全勝優勝の八百長疑惑時には、幕内ではなかったのが難点。
大麻問題で解雇になりながらも、刑事処分を受けなかったことを理由に解雇の取り消しを求めていた若ノ鵬が弁護士にも無断で、八百長問題を裁判で証言すると爆弾発言したことは、相撲協会に対するプレッシャーをかけるという意味では成果があったことだろう。
若ノ鵬証言が裁判の行方をどう左右させるか。いずれにしても領収書などの証拠はない。
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