2010年までに資本主義は崩壊すると、1977年に出版した著書で予言していたのはラビ・バトラ教授。
サブプライム問題で業績が悪化していたアメリカの大手証券会社リーマン・ブラザーズが政府からの公的資金を得られないために破綻した。
公式に破綻が発表される前夜、リーマンの社員は自分の荷物を段ボール箱に詰め込んで会社を後にしていた。レイオフ制度が浸透しているアメリカならではの光景だ。
さっそく、他社の社員が名刺を配って引き抜きにかかっていた。トレーダー職ならどこの会社でもやることは一緒だろう。
がっぽり荒稼ぎした利益は自分たちのもの。赤字になったから公的資金を注入してくださいは、さすがのアメリカでも通用しなかった。
アメリカドルが売られ、円高基調に。その後は日本の輸出産業が不振に陥る。日本の景気後退にさらに追い討ちをかけることになりそうだ。
同じく経営危機に立たされていたメリルリンチは、バンカメが買収することになったが、保険大手のAIGも危ない状況で、一気にアメリカの金融不安が加速しそうだ。
90年のバブル崩壊は日本の独り負け状況だった。
それを乗り越え、日本経済を牽引する自動車産業が、円高に加え、アメリカの消費停滞で、日本国内の関連産業までが、打撃を被ることになる。
アメリカがくしゃみすると、日本は風邪を引くといわれてきた。9.11同時テロ以来の504ドル安というニューヨーク株式市場の急落で、東京は暴落するかも。
証券アナリストは、下がり始めている原油価格が再び高騰するのではないか、と予測する。結局、株価が下落すれば投機筋は確実に儲かる原油に戻ってくる、と読む。
世界景気後退が続けば原油需要も下がり、原油価格もこのまま下がり続けると思うのだが。
バトラ教授の予測やいかに。
資本主義崩壊とは世界恐慌を意味する。
追記
帝国データバンクによるとリーマンの日本法人であるリーマン・ブラザーズ証券株式会社は東京地裁に民事再生手続きを申請した。
負債総額はなな、何と 3兆4000億円、とけた外れの額。これでも戦後2番目の記録だという。
ちなみに、トップは2000年10月に破綻した協栄生命保険の負債4兆5297億円。現在はジブラルタ生命保険が契約を引き継ぎ、業務を行っている。
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