北京オリンピックの開催に対してチベット自治区のラサで僧侶やチベット人数100人が抗議行動を起こした。
これを鎮圧しようとした中国・公安はデモ隊に発砲して死者も出ている模様。
中国人の商店や警察車両に放火したり抗議行動は過激になってきているが、目的は北京オリンピックを中止させるこではなく、全世界の目をチベットに向けること。これまで中国がどれだけひどいことを行っているかを知らしめるために最も有効な手段が北京オリンピックだということだ。
チベット問題にはまったく詳しくない。
調べてみるとこんなことが問題だった。
中国の占領と弾圧の政策は、チベットの国家としての独立、文化、宗教性、自然環境の破壊を引き起こし、人々は基本的な人権まで奪われている。再三再四、国際法を犯す中国のこれらの破壊行為は、注目はされているが、未だに罰されることなく繰り返されている。
チベット自治区といいながら、中国政府が入植を奨励。中国の大多数を占める漢民族が入り込み、結婚などによる合法的な方法で名実ともに中国同化政策をどんどん推し進めている。
今回の動乱にアメリカも注視している。
中国政府が発表する数字が低いために、衛星写真を使って死者の数を数えている、という。
さらには、中国政府に対してチベット動乱でインドへ亡命したダライ・ラマ14世との対話を呼びかけている。
今回の動乱には巡り合わせもある。
1989年3月、ラサでチベット独立、反中国の大規模な抗議行動が起こった時、戒厳令を敷いて力ずく抑えつけたのが、胡錦濤だった。これが高く評価されて国家主席への階段を駆け上がっていった。
そして、中国の威信をかけて成功させなければならない北京オリンピック。時の国家主席が胡錦濤。チベット人には申し分のない相手だ。
抗議活動はオリンピックが始まっても続くことは考えられる。
アテネオリンピックでは対テロ対策オリンピックともいわれ、空前の厳戒態勢を敷きながら男子マラソンでは、トップを走るランナーを基地外のような観客が押さえ込んでしまった。
これはテロではなかったが、テロリストが沿道の観衆に紛れ込むことはたやすい。
42・195キロの沿道を警戒することは事実上不可能であることが分かった。
チベット騒動がどこまで広がるかでアメリカも介入のチャンスを狙っている?
対話もなく中国が態度を硬化させれば、アメリカが正義を振りかざしてモスクワオリンピックのようにボイコットを起こし、日本もアメリカに同調…。
オリンピックとチベット問題。
すごいテーマを天秤にかけられた。
大気汚染や食の安全は国内の問題なので乗り切れても、チベット問題は根が深い。
中止になることはないだろうが、ボイコットの可能性は出てきた。
オリンピック開催までは海外からの誹謗中傷も我慢するが、終われば世界の嫌われ者として君臨するんだろうな。
人気ブログランキン