映画はめったに観に行かないが「不都合な真実」を観るために映画館へ足を運んだ。それほどこの映画は地球温暖化問題に関心を持たせてくれた。
映画を観た人ができることは、ざっとこんなことだ。
地球温暖化を防止するためには、二酸化炭素の排出を抑えなければならない。
そのためには省電力家電を買うとか、エアコンの設定温度を夏は高めに、冬は低めに設定。家には断熱材をたっぷり使う。移動には歩く。自転車に乗る。公共の交通機関を利用する。低燃費の車を買う。金があるならハイブリット車を選ぶ。木を植える。
そして、この映画を観ることを家族や知人に勧めることである。
アル・ゴア氏は地球温暖化防止の伝道師として、世界に啓蒙活動を行ってきたが、ノーベル賞委員会は、その活動に対してノーベル平和賞を授与する、と発表した。
賞金の9000万円は全額地球温暖化に取り組む非営利団体に寄付する、という。いずれにしても京都議定書に弾みがつくと歓迎ムード一色に包まれている。
ところが、このニュースの前日、時事通信からこんな記事が配信された。
11日付の英各紙によると、同国高等法院は10日、ゴア前米副大統領が出演した地球温暖化を警告する映画「不都合な真実」に科学的な誤りがあるとして、学校で上映する際には適切な説明を加えるよう求めた。
同法院は(1)映画で「近い将来、氷が解けて海抜は最大20フィート上昇する」とされているが、これは数千年ないしもっと後の話(2)「キリマンジャロの雪が解けたのは、地球温暖化による」とあるが、科学的に断定できない-など9つの誤りを指摘。学校での上映禁止要求は退けたものの、上映の際には生徒に対し「偏りがある」ことを注意喚起するよう促した。
北極の氷が解けたら海に沈む国もある、ということだった。
名古屋大学の武田邦彦教授も不都合な真実に疑問を呈する一人。
コップの中の氷が解けたら、水はコップから溢れ出すか?
答えはNO。体積が変わらないので海水面は上がることはない。確かに北極は氷の大陸なので北極の氷が解けても海面水は変わらない。
では、大陸の上に氷が張っている南極の氷が解けたら、海面が上がる?
これも答えはNO。冷凍室に湯を入れると周りに霜がつく原理と一緒で、気温が上がることで周りの海が凍るので海面はむしろ下がる、という。さらに南極は氷点下50度近い世界で気温が1~2度上がっても環境の変化に影響はない、という。
あの映画の宣伝では氷の棚が崩れていく象徴的な映像が何度も何度も繰り返し流された。あれを観たら単純に考えたら海面の水位が上がると思ってしまう。
ただ、実際に海面に沈みかけている南太平洋の島、ツバル。これは温暖化とは別問題と指摘する。
2000年の大統領選で、アメリカは地球環境問題のゴア氏より、経済を優先させるブッシュを選んだ。
ゴア氏が大統領になっていたら、イスラム社会との対立もなく、アメリカはイラク戦争に突入していなかったかも知れない。
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