「持つべきは友達だね」といわれながら焼き鳥屋で乾杯した。
相手は同年代で、社員150人ほどの会社の社長。最近、立て続けに不祥事を起こして世間を賑わせている業種で、上場を目指している。
それだけに、社員にはことあるごとに「企業コンプライアンスの厳守」をいいきかせていた。にも関わらず問題が起こった。
あるメーカーが無断で版権を使われ激怒している、との情報をキャッチ。すぐに社長のケータイに電話を入れ事実確認をした。
社長は商品を試作していることは報告を受けていたが、トラブルになっていることは知らなかった。
さっそく、担当者を呼んで事情を聞いたようだが、要領を得ない。仲介している業者がいて、版権は問題がないといわれて試作品を作ったようだ。
さらに仲介した業者の社長にも事情を聞いたが、版権の了解を取っていないことが判明。すぐに先方へ詫びに行った。
謝罪広告を出すことで問題は決着した。
それが終わって新幹線に飛び乗り、地元に帰ってきた足で飲みに行った。
ケータイに電話を入れていなかったら、社長のところにトラブルになっている情報もまだまだ耳に入っていない状況だった。対応を間違えれば相手の怒りはどんどん大きくなっていく。初期段階で社長自らが謝罪に行ったことでクレームは小火で済んだ。
それで思わず社長の口から出たのが冒頭のせりふだ。
知り合って10年になる。
社長はよく孤独だといわれるが、社員には話せないようなプライベートな話題も平気だ。心を許せる仲とでもいうのだろうか。
今日は軽い二日酔い。
美味しい酒だったが、ちょっと深酒をすると翌日は必ず鬱な気分になる。
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