数日前、森ビルが上海に建築中の「上海環球金融中心」(上海ヒルズ)が火災事故を起こした。
そのときはスルーしたが今日読んでいた「中国に喰い潰される日本」(青木直人著)には恐ろしい数々の事実が書かれていた。
完成すれば地上101階、高さ492mは世界一の高層ビル(TAIPEI 101のアンテナ部分を除いて)となる。
何よりも驚かされたのは上海ヒルズが建築されている上海市浦東新区陸家嘴金融地区は、10年前は畑にすぎなかった場所で、建築ラッシュが続いた結果、激しい地盤沈下が進行中。建設場所は年間6センチを超えるほど深刻な地盤沈下が続いているようだ。
実際、基礎工事中にはコンクリートの杭が折れる事故が発生。基礎を固めるために大量の凝固剤注入された。
問題は地盤だけではない。
施工は中国のゼネコン2社(中国建築工程総公司、上海建工(集団)総公司)が請け負っている。外資が建設する世界的な規模の建物を中国のゼネコンが受注したのは初めてのようだ。
極めつけは工期だ。
完成をオリンピック開幕の目玉とするために、2008年初頭としている。
日本の建築技術よりも劣る中国のゼネコンが、通常4年かかる工期を3年でやろうというのだから恐ろしい。
チャイナ・クオリティの施工はこの前、中国湖南省で実証済み。完成間近の橋が突如崩壊してしまった。
それでなくても工期がないところに火災事故だ。今後も24時間体制の突貫工事が続くのだろうが、突貫、突貫で手抜きが心配される。
ところで、79階から93階はハイアット・グループのホテルがテナントで入る。いつビルが倒壊するか分からない世界一の恐怖が味わえる超高級ホテルということになる。
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