少子化に伴い学校経営は大変なことになっている。公立高校は統廃合が加速し、大学は全入時代を迎えている。
私立高校ともなると甲子園へ行けるぐらい野球が強いとか、有名大学に合格者を輩出できるなど学校に特色がなければ生徒を集めることは年々難しくなっている。
男子校だった大阪の成器高校もそんな学校の一つだった。96年に大阪学芸高校に校名を変更。98年は男女共学の国際コースを新設したが、志願者は増えなかった。
何一つ特色のない現実で、共学にしたぐらいでは効果は出なかった。生徒数は減る一方だった。
そこで、危機感を持った理事会が打ち出した方針が進学校化だった。
関西では東京六大学に例えられる関西4大の関関同立の合格率を上げることを至上命題とした。2000年当時、合格者は22名だった。それを5年後には50名、10年後には100名という数値目標を設定した。
ところが理事会が求めたのは3年で100名だった。
それを具現化するために、講習や早朝テストなどを整備した。
その結果、数値目標は意外と早く効果を出した。これが以下のグラフだ。
これに伴い入学志願者も増えていった、というのが進学化で成功した大阪学芸高校の筋書きだった。
ところがこの数字は中身のない数字だったことがバレてしまった。合格者数は間違いないが、優秀な生徒が1人で受験して合格した数字で、過去のものも水増しした数字ではないかと疑いたくなる。
この生徒は去年の受験で関関同立の73学部の入試にチャレンジしてすべてに合格した。学校側はこれを合格者73人と発表していた。
去年の合格者数の半分をこの生徒一人で稼いでいたわけだ。
学校の宣伝のために受験料130万円は全額学校が負担。それだけではなく奨励金として5万円と時計が贈られていたようだ。
構造は野球の特待生と一緒。
有名私大の合格率を上げるために、優秀な生徒には大学受験の費用が免除されていたようだ。
急激に関関同立の合格者が増えた実態は、実は中身のないものだった。
偽装合格者数で生徒を増やしていた大阪学芸高校は、詐欺罪に当たらないのか?
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