水泳選手とマラソン選手の寿命そのものが違うので同列では語れないが、イアン・ソープ24歳の早すぎる引退に、34歳でも2年後の北京オリンピックを目指す高橋の痛々しさが際立ってくる。
ソープと高橋。
共に常勝を求められたトップアスリートだ。
水泳で賞金レースがあるようには思えないが、マラソンなら賞金レースがある。しかし、2人とも賞金が目的ではなく最終目標はオリンピックでの金メダル。
金メダルを獲ればこそ、その後の商品価値も出てくる、というもの。
引退が簡単にできるかどうかは、ソープの例を見るまでもなく、金がかかっているかどうか。
女房、子供を養うためにサラリーマンが簡単に会社を辞められないように、高橋尚子はチームQの4人のスタッフを食べさせなければならない。
いうなれば、高橋は走る社長でもある。
そのためにファイテンと契約して走る広告塔の役目も果たさなければならない。高橋が企業チームに所属していれば、間違いなく引退したい年齢だ。
弘山晴美が38歳でも現役を続けられたのは、マラソンで万年2位の汚名を返上するため。
ついに、今年の名古屋国際女子マラソンでは、41キロまでトップを走っていた渋井陽子を驚異的な粘りで抜いて、逆転優勝を果たした。絶対に勝ちたいという気持ちが渋井を勝ったためだろう。
高橋は一度はオリンピックで頂点に立っている。
今は、チームのスタッフを食わせるためにオリンピックを目指しているようにも見えてくる。
練習で酷使する体はボロボロだ。走るごとに寿命を縮めているようにも思える。
独立するとは左様に大変なことである。
サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ。
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