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by tetorayade

「泣きながら生きて」を観て

とくダネのオープニングトークで小倉の番宣にまんまとひっかかった。

今日、夜9時からのドキュメント番組「泣きながら生きて」を見入ってしまった。

観ていない人のために、内容を書きとめておく。

それは35歳で一念発起、上海から日本語学校に留学した1人の男性の15年間の日本での生活と離れ離れになった家族の物語だ。

主人公は丁さん。

カメラが回り始めたのは96年、桜が満開の東京からスタートする。

この時、来日して7年目。年も42歳になっていた。

丁さんは1970年、16歳の時に文化大革命が起こり、下放政策により農村へ行かされ勉強することもできなかった。中国でも最も貧しい農村で毎日12時間の過酷な労働に耐えた。

下放政策時代に農村で知り合った今の奥さんと結婚。学歴もなく貧しい生活を送っていたが、日本に行った友達から「日本は素晴らしい」と聞かされ、貧しい生活からから脱却するため、日本で勉強して人生の再出発を決意する。

日本語学校の入学金は42万円。

2人が働いても15年かかる金額だったが、親戚一同から借金して大金を工面する。

来日したのは89年。中曽根内閣の時代に10万人の留学生受け入れを実施してから、中国人の就労目的の偽学生が急増したl頃。

入学したのは北海道にあった飛鳥学院阿寒校。初めての開校に56人が入学。全員が中国人だった。

炭鉱の町で栄えた阿寒町は、閉山後は過疎化に陥り、その打開策として中国人留学生を受け入れた。

中国人留学生は働きながら学んで借金を返すことを目的に来日したわけだが、過疎の阿寒町にアルバイト先はなかった。

まもなく、仕事を求めて北海道を脱出。不法滞在の生活が始まる。

それから7年経ったときから、丁さんの日常をカメラが追う。

昼間は工場で働き、夜はレストランのコック。日本で稼いだ金はすべて中国に送金した。

それは一人娘を留学させるためだった。

満足に教育を受けていない自分たちの夢を娘に託すためだった。それが海外の一流大学に留学させることだった。

7年前別れた時小学生だった娘はこのとき高校3年生。上海でも屈指の名門校に進学していた。

目指すはアメリカ・ニューヨーク州立大学の医学部。

97年8月。

大学に合格してニューヨークに1人旅立つ娘は、東京経由で24時間のトランジットで、父親と8年ぶりに再会する。

「ダイエットしなきゃ」

「二重にした?」

父親は娘の成長に涙する。

豊島区のボロアパートで一夜を過ごす。風呂付のアパートは2万円高くなるので、流しで洗髪、ビニール袋に湯をためて体を洗う。

翌朝、娘を成田空港まで見送るが、オーバーステイのため、身分証明書の提示を求められる空港までは行けないので、一つ手前の成田での別れとなる。

「私のためにこれだけの犠牲を払ってくれている。私を心底愛してくれていることを知っている。アルバイト、奨学金でアメリカで生活する。これからの行動で親に恩返しするしかない」と18歳で医者になるためにニューヨークへ降り立った。

それから5年。

来日して過酷な労働が続くため、歯が抜けた丁さんに自分の歯は8本しかない。

医者になる娘のために3つの仕事を掛け持つ。

「仕事があるだけありがたい。疲れたなんていえない。一生懸命仕事して、一生懸命子供を育てる。それが親の責任」と言い切る丁さん。

2002年春。

12回目の申請でやっとアメリカのビザが下りた奥さんがニューヨークの娘に会うために上海から飛行機に乗った。

東京では72時間のトランジットがある。

13年ぶりの再開のために奥さんはこつこつ貯めたお金で洋服を仕立てる。

丁さんも奥さんを迎え入れるために布団のカバーやシーツを新しいものと取り替える。

「私たちは下放されたときから一緒に歩いてきた。妻は文句一ついわず付いてきてくれた。毎日、毎日会える日を祈っていた」

つかの間の再会。狭いアパートで丁さんが手料理をふるう。

残された時間は浅草やお台場など東京見物へ出かけた。

「再会して(浮気の)誤解が解けた。娘はお父さんに感謝しなければならない。でなければ、今の私たちはない」

2004年6月。

丁さんは15年ぶりに上海へ帰る決意をする。娘は大学を卒業して産婦人科医になることが決まったからだ。

日本を去る最後の思い出に、最初の町である阿寒町を訪れる。

廃校になった校舎に足を踏み入れる。

「希望にあふれながらやってきた場所だったが、心から学校には感謝している。人間は弱いもの。でも、人生は捨てたものじゃない」

丁さんの両親は貧しく、母親は字も読めなかった。丁さん自身も満足に勉強することができなかった。

50歳になった丁さんは、やっと自分たちの想いのバトンを娘に託すことができた。

そして娘は、たくさんの人たちの命を救う仕事に就いた。



不法滞在でありながら、クレーン免許などたくさんの資格を取っていることに引っかかる部分はあったが、今の日本人が失いかけている家族愛が凝縮されていた。

最後は医者になった娘と親子が再会するのかと思ったら、期待を裏切るエンディングだった。

上海での続編が望まれる。


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Commented by とらじ at 2006-11-04 01:44 x
トラバありがとうございました。私、途中から見始めたので、最初がどうだったのかわからなかったのです。読ませていただいて、今一度振り返ることができました。
Commented by m2web at 2006-11-04 10:42 x
読んで又涙しました。
小倉さんの番宣に大いに引っかかりましたね。

4部作全部みたいなぁ~~たしか1部は見たような気がする。
Commented by シングルパパ at 2006-11-04 11:01 x
トラックバックありがとうございました。
とても心の深い部分に残る作品だと思います。
是非もう一度見たいです。
Commented by 理事長 at 2006-11-04 13:35 x
TBありがとうございました。
毎回この張麗玲さん製作のシリ-ズは泣けます。
私の妻は中国人留学で非常に重なる点が多く、他の方よりも感情移入をしてしまいました。
毎回【もっと真剣に生きねばっ!】と思わせられます。
Commented by duo at 2006-11-04 14:15 x
この度は、TB有難うございました。
私は今、未成年で両親の元で暮らしていますが、冷め切っているといいますか、このような家族愛を直に感じたことがありませんでした。
ですが、今回この番組を見ることによって何か考えさせられましたし、自分自身また少し成長したと思います。
少しでも多くの人に見てもらって何かを感じとって頂きたい番組でしたよね。またこのような番組があることを期待します。
では、私事で申し訳ございませんでした。この辺で失礼致します。
Commented by Fitkun at 2006-11-04 15:54 x
TBありがとうございました。自分も小倉さんの番宣にひっかかった一人です。「○年間とくダネでオープニング挨拶していますが、今まで一度もお願いしたことがありません・・・。今日はお願いがあります」で始まり紹介されたこのこの番組、ついつい全部観てしまい大変感動しました。
Commented by 風太郎 at 2006-11-04 16:44 x
最近の、日本の教育問題を考えるに

教育とは、生き様だ!

と思いました。(泣)
Commented by tetorayade at 2006-11-04 20:23
>とらじ さん
男たちの大和は絶対に泣ける映画だというので期待して観にいったけど泣けなかった。その代わり、これは泣くのをぐっとこらえながら観ていました。
Commented by tetorayade at 2006-11-04 20:26
>m2webさん
私もそのパターン。第一部は観たんですが、後は全然見ていません。中国人の友達がいますが、彼も留学生として来日。日本人の女性と結婚して帰化。本場の上海蟹もご馳走になりました。
Commented by tetorayade at 2006-11-04 20:27
>シングルパパ さん
このシリーズを全作見たくなりました。1作目はあまりにも有名で見ているのですが。
Commented by tetorayade at 2006-11-04 20:32
>理事長さん
普通は若くして留学してくるのですが、丁さんのようなケースは珍しい。本当は最初から就労目的だと思うのですが、阿寒町で日本語学校も詐欺に近いというか、留学生全員が当てが外れたはず。
Commented by tetorayade at 2006-11-04 20:36
> duo さん
貧しいときの日本もこんな風景だったはず。それが豊かになればなるほど、家族愛がおかしな方向に向かい、学校も社会も崩壊していく。
色々な意味で豊かになった日本人が考えさせられるドキュメントでした。duo さんはそれで何かを感じ取った。それで十分だと思います。
Commented by tetorayade at 2006-11-04 20:38
>Fitkun さん
あの番宣にはやられました。でも、このシリーズは1回しか観ていなかったけど、泣けるシリーズなので、泣きたい日本人はいい番組でした。
Commented by tetorayade at 2006-11-04 20:41
>風太郎さん
贅沢になった日本人には色々考えさせられるところがありました。もっと貧しい生活を送っている人はいるが、目的を持って生きることの大切さを教えられた。お父さんも一流の大学に娘をやりたい一心があればこそ、苦しい生活にも耐えられた。
Commented by sam at 2006-11-04 21:44 x
tetorayadeさん、TBありがとうございます!
私の友人も小倉さんの番組でのコメで見たようですが、色々と考えさせられる内容だったと思います。現在の日本人が忘れてきてしまった家族の絆というものを感じました。このシリーズの今後も期待です!
Commented by tetorayade at 2006-11-04 22:53
>samさん
あの苦しい生活のなかでも愚痴をはかずに働く姿は、今の日本人の反面教師です。日本人は贅沢が当たり前になり、ちょっとのことでも挫折してしまう温室育ち。
Commented by しゅう at 2006-11-05 23:28 x
トラックバックのお礼、遅くなって済みません。ありがとうございました!
自分の人生と重ね合わせると、いったい自分は、家族のために何をしたのだろう? と考えさせられました。
 考えた以上、実行したいなって思っています。
Commented by いた at 2006-11-06 01:31 x
オーバーステイでも在留許可がないだけで、身元はパスポートが証明してくれます。
でも、中国大使館がパスポートを更新したかどうかはなぞだけど
Commented by tetorayade at 2006-11-06 22:38
>しゅう さん
苦しくなったり、挫折しそうになったときはこの番組を思い出しましょう。
Commented by tetorayade at 2006-11-06 22:39
>いたさん
最後は強制送還だったんでしょうか。不法滞在ですから当然そうなりますよね。水を差したか。
Commented by オンリーパパ at 2006-11-11 14:38 x
突然お邪魔します!実はフジテレビで放送された『泣きながら生きて』を録画された方を探しています。よろしくお願い致します。
Commented by tetorayade at 2006-11-11 18:37
>オンリーパパ さん
録画していません。
絶対再放送はあるかと思いますので、その情報をチェックしておいたほうがいいですね。
Commented by a at 2006-11-11 22:42 x
トラバ有難う御座いました。
私も小倉さんの言葉に引っ掛かった一人です。
毎日、仕事行きたくなーい、とか言ってる自分をブン殴ってやりたくなりました。
Commented by tetorayade at 2006-11-12 15:41
>a さん
苦しくなったり、仕事が嫌になったときは丁さんのことを思い出すことにしましょう。
by tetorayade | 2006-11-04 00:35 | テレビネタ | Comments(24)