ランチタイムの中華料理屋は満席だった。
テーブル席では相席にして客を捌いた。
4人掛けのテーブル席で1分ごとにゲップを吐く60代の客がいた。皆が食べている時に常識がない。暫くは皆我慢していたが、4人掛けテーブルの中で、一番年長者らしき50代のサラリーマンが意を決してゲップおやじに「皆食べているんだから遠慮してもらいないか」と注意した。
普通は「すいません」と謝るか、店を出て行くが、ゲップおやじは違った。
「病気だからしかたないだろ!」と居直った。
注意したサラリーマンは「は?」という顔をした。
「そんな病気が本当にあるのか?」
「病名が長すぎて覚えていない」
ゲップが病気なのか、と周りの客は一斉にスマホを弄り、検索し始めた。
確かに病気であることは分かったが、居直られても困る。