放送事故というか、テレビ局の不文律が破られるできごとが起こってしまった。
テレビで同じ時間帯に同一のタレントが複数のテレビに出演するすることはご法度なのだが、それがあっさり破られた。
それはタレントではなく、文化人扱いしての言い逃れができないわけでもないが、なぜこんなことが起こったのか?
話題の主は今やテレビにも引っ張りだこの林修先生。
夜9時スタートのフジテレビ系の「あすならラボ」のタイトルは、ズバリ「東進の林先生が落ちこぼれのヤンキーたちに特別授業」。
これは林先生1本で作った番組だった。
これに対して日テレ系の「行列のできる法律相談所」は、知って得する法律のクイズスペシャルで、そのメインゲストが東大法学部卒の林先生だった。
視聴率でいえば行列なので、裏番組はフジとなる。
林先生は特番の裏話として、ヤンキー相手の初めての授業に、「日本語が通じない生徒相手に負けた。生徒とぶつかって、相手にもぐられたので最初は負けた。久しぶりに負けた。ヤンキーに負けたのは慢心だった」と語っていた。
林先生は元々ギャンブラーなので何でも勝ち負けにこだわる。
テレビのお笑い番組のコメンテーターとして出演したときも、「出ているタレントの情報不足で結果が悪かった」と自身のコメントに対しても勝ち負けを求める。
「一緒に井筒監督が出ていたけど、ウィキペディアの話をされた時に(監督に)負けた」と悔しがる。
この日曜日の林先生はこれだけで終わらなかった。
行列の後は、同じく日テレ系の「おしゃれ」に夫婦で出てしまったのだから、今年のテレビ出演の運をすべて使い果たした感じがする。
奥さんは女医。
子供はいない。
お互い忙しいので、月のうち顔をあわせるのは1週間ぐらいのようだが、不思議な夫婦感だ。
林先生は講師を天職だといっていたが、これだけ忙しいのにテレビに出られるのは、先生のカーボンコピーのようなスタッフを育てているためだが、本人は講師になる気はないそうだ。
一流の講師を育てる実験をしたのに優秀すぎて、大学教授、司法試験を受けて官僚を目指している、というのだから悲喜劇である。
文化人で立て続けにここまでテレビに出た人は林先生以外に見当たらない。