50歳を目前に大腸がんが見つかった。
がんの中でも死亡率はそんなに高くはない。人工肛門になることぐらいは覚悟している。今の自分の気持ちを整理するために、自分の字で急に手紙が書きたくなった。
高校時代の親友から手紙が届いたことに、受け取った本人はまず持って驚いた。同封された写真と手紙を読みながら色々考えさせられた。
メールよりも便箋に書かれた文字の方が相手に気持ちが伝わる。写真もパソコンの画面で見るよりも、焼き増しされた生写真はリアリティーがある。高校を卒業してすぐぐらいにテニス仲間が集まった時の写真だったが、その時のことが昨日の出来事かのように記憶が蘇ってきた。
仕事ではもっぱらパソコンで文字入力するので、手紙は随分時間がかかったそうだが、ペンで文字を書いていると、若いころ一緒に遊んでいた時の姿が映像となって思い浮かんできたそうだ。
なぜ、手紙を書きたくなったか。
随分前に離婚して、子供は母親が引き取った。
この歳で身よりはいない。病気の時ほど心の支えが必要になってくるものだが、無性に寂しくなった。
手紙をもらった人は、この歳まで、まだ一度も結婚をしてない。付き合っていた彼女はいたが、結婚のタイミングを逃してしまった。ガールフレンドなら周りにはたくさんいる。
アドバイスが一言添えられていた。
「どんなブスでもいいからとにかく結婚しろ」
実感がこもっている。
すっかり相撲取り体形なった体をダイエットしようかと思案中である。
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