水泳選手といえば、10代後半から20代前半がピークになる早熟なスポーツである。
特に女子で26歳といえば引退がちらつく年齢で、寺川綾が北京で開かれている世界水泳50メートル背泳で2位に輝いた。
なでしこジャパンが世界一になったばかりだったことを受けてか、「1番じゃなくて喜んじゃいけないと思うが、優勝したくらいうれしかった」と涙ぐんでいたが大いに喜んでいい。
16歳で伊藤華英とともに、美人女子高生スイマーと注目され、あれから10年。国内では日本記録を塗り替えるも、国際大会ではなかなか結果を残すことができなかった。
転機が訪れたのは、3年前から北島康介の恩師でもある平井伯昌コーチに指導を仰ぐようになってから。
大雑把だったレース運びが、平井コーチの指導で指先のタッチまで細やかになったことが記録が伸び始めた理由のようだ。
ただ、この50メートルはオリンピックにはない種目。
得意の100メートルでは5位だった。そこが微妙なところである。
ロンドンオリンピックでは27歳。100メートルでリベンジを果たせるか、だ。
往年のランナーで、陸上100メートル・飯島秀雄選手がいた。東京、メキシコオリンピック時代の選手で、ロケットスタートから50メートルまでは世界一速いといわれていた。
70~80メートルから筋肉が硬直して失速するので、オリンピックでメダルを取ることはできなかった。
寺川も得意の100メートルで結果が残せず、オリンピック種目にはない50メートルで2位に入ったことで、ふとそんなことがよぎった。
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