放送事業は莫大な設備と人員を必要としたが、インターネット時代になり個人が手軽に番組を発信する時代になっている。
一昔前までは、番組はテレビ局でなければ、作れないし、放送できない、と思っていた概念がユーストリームなどによって一挙に崩れた。
このことを引き合いにエネルギー革命を起こそうとしているのが、神奈川県の黒岩新知事だ。各家庭にソーラーパネルを取り付け、余った電気は電力会社に売る。
名づけて「神奈川ソーラーバンク」。
「平時ではできないことが、有事には一気にできる」と黒岩知事は自信をみなぎらせる。
黒岩構想は壮大だ。
4年間で4兆円投資して、神奈川県下の2000万戸の家庭にソーラーパネルを取り付け、自家発電で家庭用の電力を賄う。
それがひいては脱・原子力発電にもつながる、という算段だ。
このソーラーバンク構想はいいことづくめだ。
ソーラーパネルの購入と設置費用は金融機関から借りるわけだが、余った電気は電力会社に売る。その収益を金融機関の返済に充てるので、一般家庭には負担がない、ということだ。
さらに、2000万戸に設置することで3万人の雇用を生み、経済の活性化につながる。
エネルギー問題と雇用問題が一挙に解決できて、万々歳ではないか。
いいこと尽くめではあるが、問題は送電システムにコストがかかること。一般家庭から発電される電気を買うコストの方が高いとなると、それを電力会社が買うのか、という問題も発生してくる。
黒岩知事は「国の後押しを受け、神奈川が総力戦でエネルギー革命を起こす」と意気揚々。
石原都知事にこそこんな発想が必要だ。
節電のために自販機業界とパチンコ業界を叩いても問題の解決にはならない。
電気は電力会社に依存するのではなく、自分で作る、という発想が必要だ。
平時なら東電が猛反対して、ソーラーバンク構想なんかひねり潰すところだが、今は原発がいつ爆発するか分からない有事なので、東電も反対はできない状況に追い込まれている。
火事場泥棒。
火事場のバカ力。
この場合原発事故を追い風にエネルギー革命を起こすことはできるのか?
さあ、どっち。
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