スーちゃんのお通夜が東京の青山斎場でしめやかに執り行われた。
この話しは30年近く前の話なので、もう時効だろう。
その昔、スーちゃんの愛車は赤のマツダ・ファミリアXGだった。
広島の2流メーカー甘んじていたマツダがファミリアの大ヒットで全国区になった記念すべき1台だったが、スーちゃんもファミリアXGファンだった。
東京のマツダのディーラーに定期点検でスーちゃんの赤のファミリアXGが入ってきた。
たちまち、ディーラー内にはスーちゃんの車である、という噂が広まる。
運転席には人気絶頂のスーちゃんが座り、ハンドルもスーちゃんが握っている。
メカニックの中にはそんな妄想をめぐらし、シートにほお擦りした者もいたとか、いないとか。
さて、定期点検も終わり、いよいよ納車だ。
担当でもないセールスマンが手を挙げた。
ひょっとして、納車すればスーちゃんに会えるかもしれない。そんな淡い期待を抱いて。
納品先はマンションの駐車場。
それでお役目御免。
しかし、スーちゃんが座っているドライバーシートで、スーちゃんも握っているハンドルを握っただけで大満足だったことはいうまでもない。
スーちゃんをも虜にしたファミリアXG。
キャンディーズの人気同様にファミリアXGも人気絶頂期だった。
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