「もう仕事になりません。コンパネも入ってこない。このままだと潰れます」と朝から不吉な電話が入る。
建築工事をやっている会社の常務からだった。
数少ない建築工事も建築資材が東北へ優先されるために、回ってこないので悲鳴を上げている。
震災の被害が直接ないと思われていた西日本も、ジワジワ影響が出始めている。
関西の鉄道会社ももう暫くすると間引き運転が始まる。電車の消耗品の部品が入荷しないのが原因。
東北では多くの部品工場が被災しているので、その影響なわけだが、西日本にも静かに忍び寄っている。被害のない西日本がいつも以上に元気を出さなければ、いけないのに、建築資材が西日本に入ってこないようでは、景気回復どころか、ますます景気が停滞する。
先の常務の電話はこれだけではなかった。
「5月一杯で退職することになりました」と青天のへきれき発言をかましてくれる。
いずれ、社長になると思っていたのに、これは驚きである。骨肉の争いのようだから、こればっかりは外部の人間にはどうすることもできない。
仕事が順調なときには、同族会社の良さが発揮されていたが、仕事が減るに従って同族会社の悪い面が出ている。
一番の仕事を取ってきていた営業の稼ぎ頭を失い、この先この会社はどうなるのか、そっちの方が不安である。
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