トヨタが奇跡のV字回復した。
2期ぶりに1475億円の黒字に転換した。日本経済を牽引する基幹産業だけに明るいニュースだ。
黒字になった要因の一つにすべての部品のコストの見直しを図ったことや人件費の削減などで1兆円近いコスト削減をした、という。
乾いた雑巾を絞る、といわれていたトヨタで、これ以上絞るところはないように思えるのだが、最近はだいぶ水気を含んでいたらしい。
アメリカで発生したリコール問題を乗り越えての、黒字を手放しには喜べない。
今回の黒字決算を苦々しく見ているのがアメリカだろう。
オバマ政権は支持基盤である労働組合のためにGM、クライスラーの救済を試みたが国営化は失敗に終わっている。
そこでアメリカが国家戦略として始めたのが日本の超優良企業のトヨタ叩きだった。
つまり、一連のトヨタのリコール問題は、品質上の問題ではなく、政治的思惑によるもの。国有化した自動車産業を復活させることが、アメリカ経済の復活でもある。
オバマ大統領はデトロイト再生の目玉として、次世代の電気自動車を挙げている。その電気自動車開発は是が非でもアメリカが一番でなければならない。
アメリカが電気自動車で中国市場を席巻するためにも、トヨタに先んじて開発しなければならない。そのためにはどんな手を使ってでも、トヨタを窮地に陥れ、電気自動車の開発を遅れさせる。
それが一連のリコール問題だったが、二の矢、三の矢をアメリカはトヨタに対して放ち続けている。
現に、4月に入ってアメリカの消費者団体専門誌コンシューマー・リポートから「レクサスGX460」が横滑りで転倒の恐れがあると指摘され、トヨタは一時販売を中止している。
このように今後もトヨタ叩きは断続的に続くものと思われる。
そこへもってきて黒字決算だから、今頃アメリカは頭に血が上っているころだろう。オバマ政権下でアメリカ経済を復活するには、トヨタだけではなく、有力な日本企業は次々と潰しにかけられる。
そんな話が元NHKアメリカ総局長の日高義樹氏の「アメリカの日本潰しが始まった」に書かれている。
リメンバー・パールハーバー。
次はどんな手を使ってトヨタ潰しにかかるのやら。
人気ランキング