悔しい銀。
狙っていたのは金メダルだったので、メダルを獲得しても本来の弾けんばかりの真央ちゃんスマイルはなかった。
これで、河合俊一のメダル予想が男子スピードスケートの銀、銅メダルに引き続き、全部的中したことになる。当たらなければよかったのに、あさパラでは鼻高々だろう。
オリンピックという会場の空気に呑まれることなく、平常心で、いつも通りの演技を披露できるかどうかだった。
浅田真央同様、国民からの金メダルの期待を一身に背負ったキム・ヨナも重圧はあったが、それをもろともせず、パーフェクトな演技でまとめた。
完璧な滑りを見せたキム・ヨナのすぐ後で、浅田真央の演技が始まった。
トリプルアクセルを序盤で2回も成功させての滑り出しだったが、どこかに緊張感、硬さが残っていた。素人が見ても分かるミスが中盤で立て続けに起こる。
中でも、かかとのエッジが引っかかってジャンプできなかったこの時点で負けが決まった。
たとえ、2つの気になったミスがなかった、としても世界最高得点をマークしたキム・ヨナとの点差は埋めることはできなかった。浅田真央の完敗である。
金メダル至上命令だったため、8位入賞した鈴木明子の喜びようとは対照的だった。
素人目に思うことが、完璧な演技でも8位入賞が関の山だった鈴木明子と2つのミスを重ねながらも銀メダルだった浅田真央の違いである。
それは手足の長さ。
浅田真央のように手足が長いと見栄えがするが、鈴木選手のように手足が短いと印象度が随分変わる。ジャッジはこの辺の見た目に手心は加えているのか、いないのか。
これで日本のメダルは銀2、銅1の計3つに終わった。
一方の韓国は金6 、銀4、銅 1の計11。大きく水を空けられたものだ。
冬季オリンピックではこの10数年韓国に完敗だ。兵役を免除されることも強くなる要因。落選が続いたが冬季五輪の開催国に向けてまた立候補するようだ。
そのためにも、メダルの実績が欲しい。
また、陸上競技と違って黒人選手がいないため、体格の劣るアジア人でも世界一になれることは韓国人選手が実証するまでもなく、これまで日本人選手がそのポジションにいた。
国民の妹とまでいわれたキム・ヨナ。
金メダルの重圧ははるかにあったはずだが、それに見事に応えたキム・ヨナの方が技術面だけでなく、精神面でも一枚上手に成長していた、ということであろう。
クレオパトラになりながら、あまりメダルを期待されることもなく、浅田真央の陰に隠れ、最初から最後まで安藤美姫の存在感が薄い大会であった。
人気ランキング