秋の番組改編で、関テレのぶったまが終了した。
毎週土曜日は青山繁晴に会える日で、楽しみにしていた番組である。
新番組が始まるのを首を長くして待っているのに、再放送のサスペンスドラマを流すばかりで一向に始まらない。
理由が同じく関テレのたかじんの番組で明らかになった。
予算の関係から、関テレは秋の番組改編で自社制作番組は0。それは関テレだけではなく、在阪各局とも台所事情は同じ。
ゴールデンタイムでもスポット広告は番宣を繰り返し流すばかり。広告収入の激減振りが容易に分かる。
収入が減れば番組制作費が削られるのは当然だが、たかじんの番組では自虐的にタイアップ番組の作り方を紹介した。
プロデューサーは関西一円の社長を知っている、といわれる月亭八光。
社長の中には新地で一晩に何百万円も使った、と豪語する者もいる。そんな金持ち社長に八光が「テレビを買いませんか」と持ちかける。
新地で武勇伝を作るのではなく、「テレビを買った」という新たな武勇伝作りを囁くわけだ。
関西では特番を制作するのに1000万円あれば十分だ、という。
一晩で新地で飲んで金が消えるよりも、生きた金の使い方、ということで、1人200万円の出資。八光ならそんな社長をすぐに5人ぐらいは集められる。
「来週からでも海外へいける」と八光は豪語する。
金が集まるメドができたところで、番組の内容に進む。
行き先は3泊4日でハワイでロケに決まる。
往復の飛行機は旅行代理店とタイアップ。これも八光がタイアップ先を見つけてくる。
スポンサーを喜ばせるために、たかじんのディナーショーを開く案が浮上。
ほしのあきはスポンサーに酒のお酌ぐらいする、とやる気満々。
井上公造はディナーショーの前に前座で芸能界の裏話のトークショーをやるといえば、ルー大柴はディナーショーの後で、記念撮影会を買って出る。
胸いっぱいの収録は経費を抑えるために、ディナーショーの模様は当然2本撮り。
観光タイムも番組収録に使い、これも2本撮り。
こうして1000万円あれば、1カ月分の胸いっぱいが収録できるわけだ。
往復の交通費や宿泊はタイアップなのでタダなので、かかるお金といえば、出演者のギャラぐらい。
番組はVを回して編集するだけなので、たいして時間もかからない。
こうして、関テレにはギャラを引いた残りが収入として入り込む。
テレビ局としても非常においしい話で、乗らないわけがない。
視聴率の取れない時間帯にわざわざ金をかけて番組を制作できない、とばかりに日曜日の午後から夕方までは、各局とも再放送のオンパレード。
魅力のない番組がないからますますテレビ離れは加速するわけで、テレビ局というビジネスモデルも組織疲労を起こしている。
なにせ1000万円あればテレビが買える時代だ。
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