ウサイン・ボルトという男の潜在能力は計り知れない。
ドイツ・ベルリンで開かれている世界陸上の大舞台で、人類として一番最初に9.5秒台の領域に到達してしまった。
記録は9:58。
去年の北京オリンピックではゴール前に両手を広げて流すように走り、胸を叩きながらゴールして9:69の世界新を樹立。最後まで本気で走ったら夢の9.5秒台も夢ではないといわれていたが、これをあっさりと破ってしまった。
決勝に残った選手は全員が9秒台の実力者ばかりだったが、ボルトの実力は、2位のゲイとは体二つ分抜きん出ていた。
2年前の世界陸上大阪大会ではゲイの独壇場でボルトの影はまだ薄かったが、1年後の北京、そして、今年のベルリンで、短距離界の王者に君臨したボルト。
神経質そうなゲイとは対照的にいつもふざけて、リラックスしているのが、大舞台でも普段の力を発揮できる要因なのかも知れない。
この決勝を見て、改めて日本人というかアジア人の体格では予選落ちは致し方ない。
しかし、世界陸上という大舞台でも、予選では中学生レベルの選手も出場している。女子の100メートル予選では14秒台の選手もごろごろ。
とても短距離選手とは思えない、砲丸投げの選手のような体型の女子選手がどん尻を走っていた。
全種目でA、B標準のいずれも突破者のいない国は、特例として男女1名ずつの参加が許されるからこんな光景が見られるわけだ。
そういう意味で世界陸上は予選から面白い。
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