石川遼が今期2度目の優勝となる小樽で行われた「サン・クロレラ クラシック」は、まるで映画の1シーンを見ているかのようだった。
ゴルフファンでもないので普段はゴルフ番組は見ないのだが、テレビをつけたらちょうど17番ホールのティーショットから始まった。
予選からトップを快走していたが、最終日はブレンダン・ジョーンズの猛追を受けて、ここまで互いに16アンダー。
17番は互いにパーセーブで、決戦は18番ホールへ持ち越された。
先に打ったのはB・ジョーンズで、バンカーに打ち込む。
石川もティーショットは右にそれて、これまたバンカーへつかまる。
2打目は石川から。
リカバリーショットは見事グリーンへ。バーデーが狙える位置につける。まさにピンチをチャンスに変えるショットだ。
ジョーンズもバンカーからのショットを見事にグリーンに乗せるが、石川のボールよりもやや遠め。
ピンから遠いということでジョーンズが先にパット。これがややそれてバーディーならず。ここで観客から思わず拍手が沸き起こる。観客のマナー違反が17番、18番と続く。
これで優勝の目が大きく近づいてきた石川遼。
バーディーパットは静かにカップにめがけて進むが、勢いを殺した緩いボールはカップの右端をかすめるながらカップに吸い込まれていく。
ゴルフの神様が石川に微笑んだ瞬間である。
これで今期2勝目をマーク。
下からこぶしを高々と宙に舞い上げ、喜びを爆発させる。
まさに映画のラストシーンである。
勝利者インタビューで石川はB.Jの存在を「B・Jがいたからきょうはここまで戦えた。ブレンダン・ジョーンズはすばらしい選手です」と称え目を赤くした。
何から何まで映画を観ているようだ。
優勝賞金は3000万円。
親孝行な17歳である。
人気ランキング