日々のニュースから業界ネタまでかきなぐります


by tetorayade

家に住むことは戦い

「家に住むことは戦いでもある。便利なだけなら3LDKのマンションが一番。(設計は)われわれの意見と相手の意見の共同作業。そこにはメンテも必要。丁寧に使ってくれないと設計しない」とは安藤忠雄の弁である。

高卒ながら独学で建築を学んだ安藤忠雄は、京大や阪大で使う建築学の教科書を買って1日15時間以上も本を読み続けた。大学生が4年間で学ぶことを1年間で習得するためだった。

東大へ行かなくても建築家になれることを実践するためでもある。

今や世界的な評価を受けている安藤忠雄であるが、「たかじんのそこまで言って委員会」へゲスト出演した時、レギュラーパネラー陣の三宅久之が建築家の権威でもある丹下健三を引き合いに出して、権威といわれながら「東京都庁は雨漏りで大変だ」と切り込んだ。

実は安藤忠雄が設計した建物も雨漏りがひどい。安藤忠雄の代名詞でもあるコンクリートノ打ちっぱなしで設計されたダイコク電機本社も大雨が降ると部屋の中に滝が流れる、という。

三宅久之はこうした評価を知っていてあえて、こんな意地悪な質問を投げかけたように思う。

これに対して安藤忠雄は「雨漏りもあるかも知れないが、(丹下先生は)日本人の心を奮い立たせた」とフォローした。

前述の住むことは戦いである、ということばをあえて引用するが、芦屋のコシノヒロコ邸を設計。母親である小篠綾子も一時期ここに住んでいたが、あまりにも住みにくいということでここを出て行った、というエピソードもある。

代表作となった住吉の長屋は雨の日には傘をさして家の中を移動しなければならない。これこそが戦いである。

雨漏りの話を戻すと、設計もさることながら施工技術にも問題があるのではないのか?

意匠が奇抜であればあるほど、メンテが大変で雨漏りが起こりやすいが、安藤忠雄の作品は比較的シンプルに見えるのだが。

人気ランキング
[PR]
Commented by マツナガ at 2009-06-23 13:59 x
まだ丁稚の頃、コンペで3次曲線だらけの建物に関わった時
完成間もなく「雨漏り」があって、みんな大慌て。
その時、館長がひと言。

「コンペで勝ち取った建物、雨漏りくらいあるさ。」

もちろん、補修後雨漏りはないけれど
あのひと言には参りました・・・。
建物は建築関係者だけが造るものではないと教えられました。
Commented at 2009-06-23 23:31 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by MILK at 2009-06-23 23:34 x
デザインだけなら子供でも出来ます。子供なら機能性など生活動線なんて気にしません。
ある建築デザイナーもそれと同じ。それに文句を言ったら、「あなたは遊び心が無いね」と。ホントに腹が立ちました。
Commented by tetorayade at 2009-06-24 00:33
>マツナガ さん
三次曲線なんて最も雨漏りしやすそうなデザインですね。
これって、施工業者の技術不足なんですか?
Commented by tetorayade at 2009-06-24 00:33
>安保 さん
届いています。
Commented by tetorayade at 2009-06-24 00:36
>MILKさん
なんか、バブリーな時代の余韻ですね。
パチンコ屋のトイレにシャワールームは絶対にいらない。それを空間プロデューサーはつけてしまった。それと一緒でしょう。
Commented by マツナガ at 2009-06-25 10:04 x
>三次曲線なんて最も雨漏りしやすそうなデザインですね。
確かに、そんな見方もありますが、形で雨漏りするというより、設計者、施工会社、職人それぞれの思慮不足だったと思います。

>これって、施工業者の技術不足なんですか?
いえいえ、建物はたくさんの手がなければ造れず、同時にたくさんのチェックが入る事になります。工場生産と違う現場施工ではとても重要な方法です。ですから、それに関わる者の思慮&技術不足と考えるのが妥当でしょう。
ただし、もちろんお客様からすれば設計監理者を追求する事になります。
Commented by tetorayade at 2009-06-25 23:21
>マツナガさん
さすが専門家ですね。
何に感心したかというと設計監理者というところ。
管理ではなく監理と専門用語を使っていますもんね。最終的責任が問われるのは設計・監理なわけですね。
納得しました。
by tetorayade | 2009-06-23 07:29 | 社会ネタ | Comments(8)